あるオタクの雑想録

日々の思い付きとか考察とかいろいろ

(ネタバレあり)君たちはどう生きるか?~感想という名の雑想

~~~WARNING(この記事は表題作品「君たちはどう生きるか」の深刻なネタバレがあるため見たくない人はここで回れ右してとっとと映画館へ行ってください)~~~

 

公開にあたってのプロモーション一切なし、予告の公開もなし、しいて言えば金曜ロードショージブリ作品放送の際にちらっとうたわれるのみという、完全新作映画としては異例の形で公開されたスタジオジブリ宮崎駿監督最新作「君たちはどう生きるか

 

スラムダンクは「スラムダンク」という作品の劇場版アニメであることが分かっていたけども、今回はスタジオジブリ宮崎駿監督作品、題名くらいしかわからんという混迷ぶりでジブリ×宮崎駿というネームバリューがないとできない公開方法であるし、空前絶後の試みだと思う。

 

そんな異例づくしの作品ではあるが、ともかくスタジオジブリとアニメーションに育ててもらった者としてはお布施しないとアカンということで、事前の情報は一切なしで観に行ってきた。

 

……結果、カルピス原液のような、薄めない宮崎駿エッセンスの濁流のような作品であったのでまとまらない考えをまとめつつ雑想を書きなぐってみることにした。

 

 

~~~~~~~~以下ネタバレ区域~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず断っておきたいのだが、この映画は全く子供向けではない。

それは「君たちはどう生きるか」という昭和教養主義の代表的作品から名前をとったという一点だけで鼻の利くファンには分かるのだろうが、劇場ではポニョ的なものを期待したと思われる子連れ(未就学児)のお客さんが少ないながらいて、少しかわいそうな気分だった。

 

なにしろ始まり方からして強烈でまったく未就学児の鑑賞には適さないのだ。

 

苛烈な本土空襲、それによる病身の母親の焼死。現代の残酷絵ともいうべきタッチで空襲と炎の恐ろしさを表現しつつ、主人公である牧眞人は喪失を胸に大都市圏から田舎へ父(CV:木村拓哉)と疎開してゆく。

この時点でもう未就学児の鑑賞には適さないのだが、映倫のレーティングはG、年齢にかかわらずだれでも見られるということになっている。

映画「君たちはどう生きるか」の映倫区分は年齢にかかわらず誰でも観覧できる「G」と発表 - GAME Watch

個人的には小学2年生くらいまでの子には少し早い内容なのではないかと感じたが、それはまあ置いておいて。

 

この冒頭を見せられたとき、これは宮崎駿の世代的な経験の物語なのだと想像したのだが、その想像は当たらずとも遠からずといった感がある。

 

■プロローグ

1年後、父の田舎へ疎開したときに、母そっくりの叔母である夏子(CV:木村佳乃)が登場し、お腹にすでに赤ん坊がいることがその口から告げられる。

代々の資産家で軍需産業で財をなす父は悪人ではないけれども、眞人と心を通わすには至っていない。

空襲で母が死んでしまう悪夢に苛まれ、にもかかわらず夜帰宅した父と後妻である母の妹(夏子)と口づけを交わす場面を目撃してしまう。

※ものすごい余談だがこのシーン、暗い階段上から口づけを目撃する眞人を写して彼ら二人の口づけの音が下階からするという演出で残酷で淫靡な場面を切り取っている。これはこの年代の男の子にとってはトラウマになりそうだよね

 

慣れない土地、慣れない使用人の関係、慣れない食事、継母との微妙な関係に悩みつつ、学校では案の定浮いてしまうし、彼自身も父の気を引くために悪意をもって自分を傷つけることをする。怪しい喋るアオサギに翻弄されつつも、亡き母の残した「君たちはどう生きるか」を読んで感銘を受けた眞人は、消えた夏子を取り戻しに怪しいアオサギの誘いに乗って異世界に往く……というのがプロローグ。

 

文章にしてしまうと短いのだが、ここまでのいわば導入部分が今までのジブリ作品と比べて尺が長いので少しテンポが阻害されている感があった。監督の言いたいことは存分にでていたので作品理解のためには必要だったのだと思うが……

 

異世界への冒険、黄泉の世界へ

アオサギに誘われて入り込んだ世界は地底、黄泉の世界。

死者のほうが多い世界であり、これから「上」の世界へ向けて生まれる存在もいるし、ここへ落とされたと思しき存在であるペリカンの一族もいる。

何より死んだ母親の死因はおそらく間違いなく焼死であるわけで、これをイザナミと結び付けて考えたくなってしまう人は多いんじゃないかと思う。火を扱うヒミ=母親の若い姿であるし、眞人にとっては疑似的恋人でもあるわけで。

それと同時に夏子も彼にとっては新しい母親であり、キリコ、アオサギと世界の秘密を知る旅をするにつれて夏子への態度も軟化してゆき、産屋から退出させられる際には夏子お母さんと呼ぶに至っている。

産屋の禁忌は出産の際の血を穢れとみていた習俗の延長戦にあること侵入の禁忌といったところであろうか。あるいは産屋=子宮のメタファーであるからなのか…

 

異世界からの帰還、眞人の選択とこれから

大叔父(頭が良すぎて塔に消えたと現世で語られるヒト)のいうこの世界(黄泉)を継げ、この世界を悪意のないものへ作り変えて主となれというメッセージに対して、頭の傷を指して自分は悪意ある存在であるからこの世界を作り直す資格がないとしつつ現実の世界で友達をつくって暮らしていくことを選択するシーンがこの作品のヤマ場であろう。

都合よく作り変えられる異世界=創作に溺れる、囚われるのではなく、現実をしっかりと生きて変えてゆくこと、これこそが現代を生きる我々=観客に対しての宮崎駿からの「君たちはどう生きるか」という問いかけであると感じる。

(これ、図らずもアニメ作家として弟子筋にあたる庵野監督のシンエヴァのラストともリンクするような内容になっているような……)

 

眞人の選択、インコの大王のとんでもないやらかしにより黄泉の世界は崩壊し、ヒミとキリコはもといた年代に帰り、友となったアオサギと眞人も現実の1945年に帰還する。

異世界ものによくある話だが、期間後には記憶から消えてしまうハズがその世界のもの(石とキリコを象ったお守り)をポケットに入れて持って帰ってきたことによって記憶が継続していることに驚くアオサギは、友達であることを宣言して物理的にも記憶からも去ってゆき、キリコも老婆の姿で現実に帰還し大団円を迎える。

 

終戦の二年後に父と新たな母となった夏子、生まれた弟と田舎を旅立つ眞人は「君たちはどう生きるか」を携えているのであるが、これはこの本が母の贈り物という枠を超えて彼の愛読書、バイブルになったことを意味していて、それは彼が創作の効用を理解し現実との折り合いをつけられるようになったことを示しているのだと思う。

 

繰り返すが、この映画は観た人に「君たちはどう生きるか」という問いを与える教養小説ならぬ教養映画になっており、これまでの宮崎映画の掉尾を飾るにふさわしい作品であると思う。

と同時に、これを受けての監督の次回作を見てみたいとも思う私がいる。

 

個人的には娯楽映画としてはんんん~……な出来なのだが、宮崎駿作品としてはその濃さゆえにサイコーみたいな恐ろしくマニア、というかジャンキー向けな映画になっていてなんとも評価が難しい作品だった。

もう一回パンフレットが出てからゆっくり劇場で観てみたい映画だと思う。

上映時間が長めなので予めトイレに行っておくことを忘れずに……!

 

ーーfinーー

(とりあえず以上だけどもう一度観られたら追記するかも?)

(ネタばれ有)シン・エヴァンゲリオン劇場版で魂が浄化されたそこらへんのオタクの感想

狙ってとったわけではなかったのだが、代休のおかげで比較的早めにシン・エヴァンゲリオン劇場版を観られたので、あのクソいまいましい休日出勤にもたまには良いことがあるもんだと肯定的にとらえてみるテスト。

 

ここからクソどうでもいい自分語りがつづくのでネタバレ感想だけ読みたい方は

ーー強羅絶対防衛線ーー

まで読み飛ばしてほしい。

 

超久々に140字以上の長文を書くので書きたいことが書き切れるのかどうか、それは書き出しの時点では不明なのだが、とにもかくにも久々に書いてみたいと思えることがらができてしまったので書いてみよう。

 

ところでエヴァを語る界隈では、語る人物の年齢やパーソナリティによってとらえ方が違うことを楽しんだりする文化がある……ような気がする。

カメ止めの上田監督の反応を見る動画が話題になったり、古くはそのへんのJKを拉致ってきてTV版を見せて感想を言わせたりする企画がテレビで放映されたり……。

というわけでここで少し自分語りをしたい。

 

筆者は91年生まれの男性。

 TV版エヴァ放映時はまだ未就学児だったためリアルタイムで観ていない。仮に見ていたとしても記憶がないのでまぁ同じだろう。旧劇場版についても同じ。

 

エヴァの存在を知ったのは中2(2005年)のころ、当時住んでいた町の図書館で貞エヴァの単行本のアスカが表紙になっている巻をたまたま読んだのがきっかけだった。

 

そこから見事にハマって貞エヴァ単行本を買いあさり、レンタルビデオ屋で血眼になってDVDを借りたりした。(当時田舎の弱小ビデオ屋にもDVD1式くらいは置いてあった)

その結果、田舎もんのアホで薄甘いミリタリー趣味4流バスケット少年は、すっかり気持ち悪くて痛々しいアホなオタクとなってしまった。

エヴァの社会現象から10年遅れて、思春期ど真ん中の14歳(所謂チルドレン年齢)で”はしか”にかかったとも言えるし、今にして思えばここではしかにかかっておいてよかったとも思う。大人になってからはしかにかかると大変らしいからね。

 

というわけで筆者はぎりぎり「旧エヴァ」で育った旧世代オタクだったりするのだが、社会現象をリアルタイムで経験はしていないという狭間の世代だったりもする。

それ以降は

2007年 新劇場版・序公開(16歳高1)

2009年 新劇場版・破公開(18歳高3)

2012年 新劇場版・Q公開(21歳大3)

2021年 シン・エヴァンゲリオン劇場版公開(29歳社会人)

といった具合にエヴァとともに歳を重ねたわけである。

それにしても2007年から足掛け14年の月日が流れているのには驚いた。そりゃあみんな年も取るしトイレが心配になるわけだ。

 

というわけでこれまで触れたエヴァ作品は主にTV版、旧劇場版、新劇場版、貞エヴァ、各種アンソロ、TVゲーム(鋼鉄のガールフレンド綾波育成計画withアスカ補完計画)、ドラマCD、サントラ...…etc

こうして思いつくだけでこれである。頭の先から足の付け根までどっぷりハマっていたことがわかる。

特に綾波育成計画やアスカ補完計画は何十週とプレイしてレイやアスカをおたくにしたりスケバンにしたりデートしたり嫁にしたりして楽しんでいた。

ついでに最初に自分のカネで買ったCDはエヴァンゲリオン放映10周年を記念して発売されたアルバムだった……

 

なお2005年ごろはまだSNSは発達しておらず、思い出すかぎり2chや個人サイト・ブログやお絵描き掲示板などでおたく情報(猛毒を含む)を摂取していたことをここで白状しておく。

LAS、LRS、LAO、LROなどの他人の妄想を読み漁っていた覚えが……頭が痛くなってきた(意味が分からない人は半年ROMるかググレカス

 

さて、そんな訳でそこらへんにいくらでも落ちてる旧世代オタクの考察……になっていない感想のはじまりはじまり~(ドンドンパフパフ~

 

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【ネタバレ注意】エースコンバット7の雑感を書いてみる

ファン待望のナンバリングタイトル「エースコンバット7」が1月17日に発売された。

発売から2週間、購入したプレイヤーたちもいい加減ストーリーモードを周回し終わったころだと思うのでメモを兼ねて個人的な雑感をまとめてみようと思う。

と、その前にシリーズのプレイ履歴と一番好きなタイトルを挙げてから本題に入りたい。

 

プレイしたことがあるタイトル

エースコンバット(PS)

エースコンバット2(PS)

エースコンバット3(PS)

エースコンバット04(PS2)

エースコンバット5(PS2)

エースコンバットZERO(PS2)

エースコンバット アサルト・ホライゾンPS3)

 

以上である。6はハードがXBOXだったため、がま口の都合上未だにプレイ出来ていないし、携帯ゲーム機が嫌いなので3DSなどで発売された作品をプレイしていないのは予めご了承いただきたい。

つまりいわゆるエスコン「ガチ勢」ではないのだが、幼少期からプレイしてきたそれなり以上に思い入れのあるシリーズである。

ちなみに一番好きなタイトルは「3」である。レナはフランカーに乗れていいよな

 

 

さて「7」の感想である。

グラフィック、システム、ストーリーの3つに分けて書いていきたい。

 

まずグラフィックだが、これについてはとにかく流麗で驚くばかりである。

海沿いの抜けるようなスカイブルーの青空から、曇天の岩の切立つ渓谷、雲に入ればキャノピーに水滴がつくし抜ければ風圧でたちまちそれが流れていく。コクピットから撮影した実機の映像に近いリアルな模写を実現していて脱帽するしかない。

自分はVRを所有していないのでVRモードはプレイ出来ていないのだが、こちらもネット上の反応を見ていると概ね好評のようである。

4k対応していないなどの意見もあるが、つくりの綺麗さという点では過去作を大きく引き離す出色の出来ではないだろうか。

 

つぎにシステム面について。

ゲームの選択画面等々はPS2時代のそれとあまり変わっていないのでシリーズファンなら直感的に操作できると思われるが、初心者には今どきのソシャゲのような「戻る」ボタンなどが無いためやや不便に感じるヒトも居たようだ。さもありなん。

ところで、PS2時代にはあったフライト中に僚機へ命令できるシステムが廃止されたのは何故なのだろうか?あれ自分は対地任務に集中して味方に敵機の相手をしてもらうというような使い方が出来て便利だったし、一緒に飛んでいる感もあってよかったと思うのだが……。僚機についてはシナリオでも触れるが、戦力的にはほとんど空気になってしまっているのでここは正直残念だった。

 

最後にストーリーについて。

これはもっとも毀誉褒貶の激しいところで、私としてもどう評価すればよいのか迷うところだが……。

 

良い点としてはストレンジリアルの過去と未来をよく吟味し他のシリーズと繋がったストーリーになっている点と、様々な対比の妙が面白いことだろう。

オーシアとエルジア、主人公と僚機たち、有人戦闘機と無人機、老人と若者...etc

僚機のカウントはやさぐれたキャラだが人間味のある性格で、主人公のことを見てだんだんと変わっていくところは従来の作品にはない味付けで面白かった。

所々に挟まれる細かいネタも歴代作品をプレイしていればニヤリとさせられる仕上がりになっているところはポイントが高い。

 

悪い点としてはムービー内でもミッション内でも主人公以外のキャラクターが尺に対して多すぎ、結果様々な登場人物にスポットライトを当てきれずに終わっている点だろう。やりたいことが多すぎて描ききれていない印象を受けるし、かゆいところに手が届かないもどかしさが強い。もっとも、これは期待度が高かったからこその問題かもしれないが。

 

従来のシリーズでは作品ごとにわかりやすいテーマがあってそれに沿ってストーリーが展開していたのでこういったことはあまり起こらなかったように思うのだが……。

3は空を飛ぶことで心の在処を探ろうとした近未来SFだった。

04は戦争と少年とエースパイロットの物語をバリオス・マンゴレの調べに乗せて描き出した内省的なフランス映画のような趣のある作品だった。

5は新米パイロットの成長物語であり、国家間の陰謀を巡るハリウッド大作といった趣があった。

ZEROはエース同士の決闘を叙事詩的、ドキュメンタリー的に描いた作品で、戦闘後戦った相手のパイロットのインタビューが流れることで感情移入させられる構造になっていた。

さて「7」はどうか。

無人機との戦い、老いたエースとの戦い、国家と個人、老人と若者、英雄と凡人、罪人と英雄、王女とあの整備兵……etc

どれも取り出してみれば魅力的なピースだが、やはり全てを描ききるには尺が足りなさすぎたとしか言いようがない。一応無人機との戦いということで芯は通ってはいるのだが、色々な伏線や感情を投げ出したまま、ただぼんやりとしたまま無難に着地してしまったのが勿体なかった。

 

エースコンバットの醍醐味はストーリーモードのはっきりとした面白さとシューティングの爽快感だと個人的には思っている。

「7」はシューティングとしての面白さ、爽快さはピカイチだがストーリーは正直ループしてムービーやミッション中の会話を観てみないとよくわからないし、それも分量不足で推測しなくてはならないため面白さが掴みづらい。

故に歴代の作品をプレイしてきた「エースたち」からの評価が厳しくなりがちになってしまうのも致し方無いと思う。

 

 

え?そんな評論家みたいな語り口で誤魔化すな?おまえの率直な感想はどうなんだって?

ストーリーは微妙だけど面白いミッションがあるし、グラフィックは綺麗、何よりナンバリングタイトルで続編をPS4で出してくれたこと自体がありがたいので複雑だよ!待った甲斐は……あったよたぶん……

 

なおここからはオタク的なヒコーキ話になってしまうが、歴代で初めてF104が登場したのが私はとってもとってもとっても嬉しい。大事なことなのでもう一度書く。マルヨン最高。

これは「最後の有人戦闘機」と言われ、スターファイターと呼ばれたF104を無人機と対比させるために出してきたものと思われるが、この心遣いはニクいぜナムコよ!

それとフランカーシリーズが沢山出てきたのも個人的には嬉しいところ。Su-33とSu-35とSu-30とSu-37なんて、興味ない人間にとっては全部同じにしか見えないだろうけどオタク的には全部違う機体でなおかつこれに搭乗できるというのはコレ以上無い幸せなんですよハイ。レナはフランカーに乗れていいよな(CV.保志総一朗

 

キャラクターとしては王女様はすごく美味しいところなので、主人公たちも444戦闘航空団に残って泥臭く戦ってるうちに王女を保護、オーシアとエルジアの主戦派を相手に愚連隊したってよかったのに勿体無いことを……とか思ったけどこれだと5の二の舞か。でもやっぱり敵国の王女様を護衛しながら平和を求めて放浪する元犯罪者の荒くれ者集団ってロマンあるよね。ストーリーの収拾がつかなくなりそうだけど。

 

もし続編で「8」が出るなら、2032年にあったとされる企業VS国家連合の戦争を描いてほしいな。願わくばその戦争の中でナイトレーベンに「挟まっちまったぜ」したいね。以上

 

P.S.

ストーリーをラノベタイトル風に要約すると「罪線3本から始めるオーシア空軍的エースパイロットへの道」にならない?電波少年っぽい?なにそれわたし若いからわかんない

 

今度こそおしまい

バグダッド日誌ツイがバズってイラッとしたりげんなりしたり嬉しかった話

さて、件の「バグダッド日誌」ネタも界隈ではあらかた消費されつくし、あれほど五月蝿かったスマホのバイブもほとんど鳴らなくなり、かの戦争の際のブッシュJrよろしく「大規模戦闘終結宣言」を出しても良さそうな頃合いになってきたので、例のツイートがバズってイラッとしたりげんなりしたり嬉しかった話について書いてみる。

が、その前に件のツイートをする前のこと、陸自イラク日報の内容についての雑感を書いておきたい。(本題だけ読みたいヒトは下の”ジークフリート線”までスクロール推奨)

 

 

上記、軽い気持ちでつぶやいたのは17日のブログでも書いたとおりで、ここまでバズるとは全く予想もしていなかった。

 

当時、私は陸自イラク日報の公開分のなかで重要な事案が起こった日(ロケット弾の着弾等)と、適当に選んだ日報を読み漁って情報を集めていた。果たしてこの中に知られざる事件や不祥事やその他問題があったのかどうか、野党が言う「戦闘」という文言が何を指すのかが知りたかったのだ。

結局(全てに目を通したわけではないが)分かったのはサマワは確かにイラク特措法の言う「戦闘地域」ではなかったこと、とはいえサドル派の一部過激派民兵の存在や他地域からのテロリスト流入の可能性もあり、危険でもあったということだ。

隊員の活動報告や現地治安情報の評価については当時の陸自、それも現地の視点ということで生々しさがあり貴重だし、現地宗教指導者の説話の内容は当時の現地民の声の代弁であることが想像され非常に興味深いものであった。

 

↑説話関連のつぶやき

 

黒塗りが多いと批判される部分については、防衛秘密※にあたる使用火器の稼働状況や多国籍軍の配備情報(と思われる箇所)等で、国防の観点やPKO活動の性格上致し方ない部分だと思われた。黒塗りは戦後すぐの教科書のイメージが強く忌避されがちだが、上記の情報は正直日本の一般人が知っていてもあまり有益ではないだろうし、それよりもその情報が外国に知れ渡るほうが有害であろう。(防衛秘密の公開はこれから試合をするボクサーが対戦相手に自分のクセや弱点を教えるようなものだ)

 

むしろ、ここではあえて詳細を取り上げないが「バグダッド日誌」の一部に特定の個人の名前等がそのまま載ってしまっているほうが個人的には気になった。黒塗りの漏れをチェックする体制が不十分だし、何を隠さなければいけないのか確固たる決まりもなく黒塗りする人間の感覚で決められてるんじゃないかという疑問すら生じさせる杜撰さはここではっきりと批判しておく。

 

 

というようなことを漠然と考えつつTwitterを流し読みしていたら、「バグダッド日誌」が面白いという誰かのつぶやきを見た。

確かに自分も日報を読んでいてその部分が面白いのは知っていたので、なら自分が読んでいて面白かった部分をまとめてみようと思い立った。

それが前述のツイートであった。

 

そのあと趣味のゲーム実況動画の編集、アップロード作業をしていてTwitterから1時間ほど目を離していたのだが、何が引き金になったか例のツイートが猛烈に伸びていた。(日付が変わったあたりで1500RTくらいだったと思う)

ヤバイと直感したが後の祭りで、次の日の朝までにさらに爆速で伸び17~18日にかけて通知の嵐でひどい目にあった。(スマホは途中からあらゆる通知音が鳴らないように設定したし、お約束のやりとりも友人の巧みな”忖度”により行われその点は極めて愉快ではあったが)

というか、この記事を書いている段階になって特定の属性からの通知を非表示にできることを知った……笑

 

 

ーーーーーーーーーーーーージークフリート線ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

で、ここからが表題のうち「Twitterがバズってイラッとしたりげんなりした」話なのだが、はっきり書いておくがあまり楽しい話ではない。

ただのグチと懐古なので苦手なヒトは一番最後の嬉しかったことまで読み飛ばすことを推奨しておく。

 

大多数の方たちは私のくだらないつぶやきをゆる~く常識的に楽しんでくれていたみたいだが、中にはろくでもないリプライや引用リツイートをしてくる輩が居て大変ストレスフルだった。

 

ろくでもない輩はだいたい下記の3つのパターンに分類されると思う。

(1)自分の主張をゴリ押ししてくる輩

(2)意味不明なこと・くだらないこと・頭の悪いことをわざわざ宣ってくる輩

(3)想像力の足りない(読解力がない?)輩

 

まず(1)、自分の主張をゴリ押ししてくる輩

これはだいたいプロフィール画像に日の丸が入ってたり、プロフにアベ独裁断固反対とか○○崇拝とか非常に特徴的なことが書いてあるのでわかりやすい。

例を載せてもいいのだが、バカの主張を拡散させるのも腹立たしいのでやめておく。

 

まったく勝手に自己の箱庭の中だけで完結してろよって話なのだが、誰かのバズったつぶやきに乗じて自分の妄想を他人に披露して味方を増やしたいか共感して欲しいんだろう。

自らの劣等感や矮小さを直視できないばかりに自意識を肥大化させ、特定のイデオロギーなどと自己を同一化させて悦に浸っているのが最高に気持ち悪い。そういうのは中学生ぐらいで卒業しとけよと。

実に哀れで頭の足りない連中だが、当人たちは本気でやってるんだろうし、絶対に言っても聞かないだろうし本当に迷惑でイラッとする輩である。(なおこういう輩の歴史的代表格がかのアドルフ・ヒトラーである)

 

次に(2)意味不明なこと・くだらないこと・頭の悪いことをわざわざ宣ってくる輩

これが一番多かった。これは例を見てもらったほうが早い

 

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わざわざこんな悪文を他人にリプライすんな。「つぶやき」なら自分のアカウントでやってくれ

 

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陸自がいつどこで「戦闘状態」に入ってたのか教えて?政府は何を隠したかったの?今回公開された日報はちゃんと読んだの?教えてよ?

イラク特措法にある「戦闘状態」と野党の言う定義のあやふやな「戦闘状態」の違いを認識してない、まともに原文にあたってないのを自分から暴露してる正直さは評価する

 

最後に(3)想像力の足りない(読解力がない?)輩

上2つに比べれば害は少ないがこれも多かった。たとえばこんなのだ

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おいおいおいおい

 ※上記自分のツイート誤字修正。バグダッド日報× バグダッド日誌○

17日の記事にも書いたがこういう勘違い、早とちりが確認されるだけで数名いた。ということは総数はもっと多いだろう……頭が痛くなる

 

他にはこんなのも居た

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バグダッド日誌」を抜粋して乗っけてる時点でかなりの数の日報を読んでいるってわからんかったのか、他人に注意喚起したかったのか……

もし後者なら他人のリプ欄じゃなく自分のアカウントでフツーにRTやっといてくれ

 

以上のようなどうしようもない反応が多くて初めてツイートがバズった身としては正直閉口させられた。

また、クソリプ・クソRT送信用アカウントみたいな奴からもしょーもないリプが飛んできていて、そのムダさ加減には心底呆れた。ご苦労さん。

それと、ある意味仕方ない内容が含まれているとはいえ背中の右や左に羽が生えてる系アカウントのRTやいいねが多く、これも非常にげんなりさせられた。(どうせ片方の翼なら永遠に休めておいてくれ)

 

 

そういえば10年以上前、2ちゃんねるに張り付いていた時代があったのだがその頃の「祭り」は今にして思えばかなり個人性が見えないムーヴメントだったと思う。コテハン以外はみんな大抵匿名の名無しさんで、ほとんどコメントやスレッドの消費速度でしか反応を見られない構造だったのだ。

Twitter2ちゃんねると決定的に違うのは匿名でありながら名無しさんではない、個人的な要素のある幾千の他人の反応を否応なく見せつけられる点であるというのをTwitter歴ウン年目にしてようやく実感させられた。

 

結局

ツイッター創世期から言われているコレが真理なのかもしれない。

リプライはもちろん、引用リツイートも他人に見えてるということを把握しているのかしてないのかわからないが、ろくでもない輩が世の中にはたくさんいるということを痛感させられた。

 

 

 

それはそれとして、大変嬉しいこともあった。

模型会社のF社の中の人と、とある大好きな漫画家の先生が「登場人物全員女性にして漫画化」に前向きになってくれていたことである。(な、なんだってー!?)

たとえ実現しなくても、自分の妄想から生まれた話題が遡上に上がった事自体が奇跡みたいなものでそれだけでいちファンとしてはありがたいことであった。実は件のツイート自体その先生の某マンガを念頭に書いたものだったので……。野○先生何卒お願いいたします。

 

おわりに…

バグダッド日誌と違い、読み物としてまったく面白くない文章を最後まで読んでくれた方、ありがとうございました

 

 

※防衛秘密という言葉は法改正により現在では特定秘密という言葉に置き換わっているが、わかりやすさ優先のためあえて旧称を用いた(筆者がおっさんで知識が更新されていなかったとは言えない……

バグダッド日誌ツイートがバズるにつけ思ったこと

 

みんなに見てほしい、とは書いたがここまでバズるとは想像だにしていなかったので、かなりフザけた文章になっている。正直もうちょっと真面目なこと書けばよかったと反省している。

 

信じられないくらい多くの方から引用RTやリプライを頂いているが、ひとつ気になったことがある。

 

 ※一部誤字訂正

 

上記のようにツイートもしたのだが、かなりの人が今回陸自が公開した陸自イラク派遣隊の日報の内容が「バグダッド日誌」だけであると誤解しているようだ。

 

実際は一般の会社の報告書と同じく表紙から始まり、前日の活動成果や人員・装備の状況(防秘になる部分は黒塗り)、現地の治安状況の評価や明日の活動予定、今後の活動方針、多国籍軍関連の報告(恐らく黒塗り部分は多国籍軍の予定や配置)などが書かれている。

その合間にバグダッドやバスラに駐在している要員が書いた文才豊かな文章が「バグダッド日誌」や「バスラ日誌」である。

おそらくサマワの駐屯地の隊員への私信というか、軽いニュース、書いた隊員や読む隊員の気晴らしのようなものであろうと思われる。

というわけで日報の内容が「バグダッド日誌」だけではないことをしつこく明記しておく。

 

※下の画像は05年7月5日の日報の9ページ目。前夜に自衛隊サマワ宿舎を狙ったと思われるロケット弾が着弾している。(赤丸は筆者追記)f:id:RonSato:20180417195319j:plain

 

下は元PDFのリンク

https://www.asahicom.jp/news/esi/ichikijiatesi/iraq-nippo-list/20180416/370/050705.pdf

 

真面目な話、今回のイラクに派遣された自衛隊の日報に「戦闘って書いてあるぞーっ!」と感情的に騒いだり、バグダッド日誌読んで和んだり「だけ」しているのでは意味がないと思う。

イラクサマワイラク特措法にある「戦闘地域」ではないけど、ロケット弾が飛んできたりする(少なくとも日本の駐屯地よりは)危険な場所でもあった。

そんな中で自衛隊がどのようにイラクの現地の人々へ貢献したのか、派遣された隊員やその家族へのケアはどうだったか等を総合的に評価・反省を行い、世界の別の場所でこれからも行われるであろう国連主導のPKO活動にどう関わっていくのかを改めて考え直す契機にしないといけないと思う。

 

なお今回公開された日報は、陸自イラク派遣期間のおよそ45%にあたる分しかない。

今後残りの発見・公開があるのか否か、そしてそこに記載があるであろう砂漠の香り高い「バグダッド日誌」「バスラ日誌」文学の行方についても注目していきたい。

 

 

追記:鉄板の「ヘタリア」ネタが入っているせいか、腐女子界隈の反応が多いのに驚かされた。ブームからかなり経ったはずだけど、未だ一定の人気があるようでなぜだか少しうれしかった

 

陸自イラク派遣隊の日報を確認する際に参考にした毎日の報道

mainichi.jp

朝日新聞が公表したイラク派遣の際の日報の防衛省が公開した全文書をまとめたリンク。興味のある人は読んでみてくだせえ

www.asahi.com

↓いわゆる「バグダッド日誌」「バスラ日誌」のダイジェスト記事。おもろい

news.biglobe.ne.jp

バーチャルYouTuber戦国時代到来~にじさんじはアイドルの夢を見るか

ここ半年ほどで急成長を遂げ、さながらカンブリア紀か戦国時代とでもいうべき状況の昨今のバーチャルYouTuber(以下Vtuber)界隈。

四天王と言われているキズナアイ、電脳少女シロ、ミライアカリ、輝夜月、バーチャルのじゃロリ狐娘YouTuberおじさん(四天王なのに5人いるのは何故なんだ笑)の他にも、「わたくしで隠さなきゃ」で話題になり拡散していった月ノ美兎はじめとするにじさんじ勢やゲーム上手すぎな猫宮ひなた他加速度的に生息数が増えてもはや訳がわからない状態になりつつあるわけですが、この新しいムーヴメントについて自分なりに少し整理してみようと思います。

 

バーチャルYouTuberのここが良い

・双方向コミニュケーションが可能

・パーソナリティが強い(キャラが濃い)

・いろいろなアニメ、ゲーム等作品に言及する

・にも関わらず相手は2.5次元ないし2次元

 

この辺はあまり異論がないかと思います。

 

みんなそれぞれ容姿は2次元で美形であるにも関わらず、キャラが濃くて配信や動画のコメント欄やTwitterで交流できて、タレントと違い所属事務所等の制約を越えてアニメの感想を言ったりゲームの配信を行ったりという点が新しかったわけですね。

上に挙げたVtuberはのじゃロリおじさん以外全て企業の公式Vtuberたちですが、個人で配信しているVtuberもたくさんいて、戦国時代に彩りを添えています。

個人的に面白いというか関心したのは、キャラクターに「中の人」のパーソナリティの深みが加わって、あたかも本当にそのキャラが現実にいる存在であるかのような錯覚を覚える効果があることです。

ビジュアルと親しみやすいキャラクター性により、ゲームとコラボレーションしたりTVでレギュラー番組を持つなど、活躍の場はどんどん広がりつつあります。

また、その特異性によって宣伝を行っても、いわゆる「広告の臭み」が薄れる(口コミっぽくなる)という効用もあるようです。

キャラクターは齢を取らないし、人気が続くかぎりタレントビジネスとしてもリアルなアイドルなどと比較して優位性が高く、成功した場合の収益性はかなり高そうです。グッズ収入等雑収入も見込めます。

 

が、良いことばかりではないようです。

企業Vtuberは質やバックアップ体制にかなり差が有るようで(戦国時代の常ではありますが)、常に炎上の危険に晒されています。

 

親分とも呼ばれ絶大な人気を誇っているキズナアイについては、企業が本腰を入れてリスクマネジメントしているようで、フリーダムっぽさがありながらも危なげないラインを保っている感があります。

他の四天王についてもほぼ同等の安定感があるわけですが、どうも他のVtuberについては玉石混淆のようです。

 

企業のバックアップがあまり及んでいない一例として、にじさんじのバーチャルライバーたちを挙げることが出来ます。

そう判断できるのは彼らのスキルが一定していないことや、配信・動画での発言から知ることができる訳ですが彼ら独特の事情もありそうです。

 

にじさんじのバーチャルライバー(と公式で表現している)は、「いちから株式会社」が配信予定の新世代アニメプリ(VR配信ソフト)「にじさんじ」の宣伝販促兼テスターのような役割で四天王とは少し性格が異なります。

つまりキャラクタービジネスとアプリビジネスの二足のわらじを履いているわけです。

しかも元締めの「いちから株式会社」の方針はどちら寄りなのか、いまだ見えてこないままです。アプリの配信日はcoming soonのまま放置されています。

 

一番問題なのはおそらく公式ライバー、いわゆる中の人へのSNS教育が充分になされていなさそうな点です。

樋口楓のtwitter誤爆鈴鹿詩子の放送事故など上場企業なら株価に影響しそうな失敗を何度も重ねています。

彼らは会社・これから売り出すアプリのモデルでありオフィシャルな存在でひとたび失言や放送事故を起こせばキャラクターや世界観、ひいては会社存続の危機につながるはずですが、この点にじさんじ公式は未だに公式声優の個人的なスキルに頼り切りで対応がかなり甘いと言わざるを得ません。

月ノ美兎の爆発的なブームへのビジネス対応と1&2期生だけで18人居る公式ライバーの支援(どの程度行っているのか不明)、さらには3期以降の公式ライバーの展開準備もあって、2017年5月に起業したばかりの企業では少し荷が勝ちすぎているのかもしれません。

 

個人的には「にじさんじ」アプリが正式配信されて、企業の公式ではない「本物」の素人ライバーが誕生したとき、それが技術のないフツーの人がアイドルの夢を見られる、Vtuberになれる時代の到来だと思っていてかなり期待しているのですが。

 

流石にムーヴメントが始まったばかりということもあってまだまだ混沌の戦国時代的な感がありますが、織田信長が表舞台に登場した戦国後期のように、既存Vtuberへの人気の集中により徐々に勢力図が固まりつつあり、そういう意味では安土桃山時代に入りかけていると言えるかもしれません。

 

兎にも角にも、10年以上前初音ミクが登場したときと同じようなムーヴメントがいま再び起きていることに驚きと感動を覚えつつ、相応に年食った身は一抹の不安を感じているわけであります。

 

なお筆者は月ノ美兎の大ファンです。

以上、駄文長文失礼しました。

ブログをまた始めてみる

ブログを書くのを止めて数年経ち、SNS、特にTwitterに移住して久しいけれど、結局ブログに戻ってきてしまった。140字に収まらない文章を書いて垂れ流したいときに最適なサービスは、たぶん今でもブログだろう。

といっても軸足はTwitterで、長文を書きたいときだけこっちに投げるという使い方になると思う。

 

昔のブログに戻ろうかとも思ったけど、あまりにも昔に作ったサイトでパスワードどころかIDまで忘れてしまったので、別のサービスを探して一から始めることにした。

心機一転という意味でも、昔の自分の黒歴史的な記事を見なくてすむという意味でも精神的に健康な気がするし。

他の無料ブログサービスに比べて、はてなはサッパリした画面が心地よいのでここで再開することにした。

 

映画、音楽、アニメ、ゲームあたりの記事ばかりになると思うけど、適当に付き合っていただけるとありがたく思う。